財団法人福井県文化振興事業団

刊行物案内
季刊ブンカ VOL.28  2008 SPRING 

CONTENTS

■ESSAY
山川登美子との出会い
(財)福井県文化振興事業団
評議員 玉井 令子 氏

■TOP INTERVIEW
理を学び、道を極める
陶芸家 木村 盛和 氏

■ブンカのトビラ
オペラの魅力
オペラ歌手 吉田 浩之 氏




ESSAY & TOP INTERVIEW

ESSAY
山川登美子との出会い
    
(財)福井県文化振興事業団 評議員 玉井 令子 氏

 夫の故郷である小浜市に嫁ぎ来て間もない頃、山川家から往診の要請があった。父の患者さんであったのだろうか。あいにく父は不在で、夫が往診に出かけて行った。患者さんは登美子の兄嫁、きくさんとのことであった。その日夫は、山川家のことや登美子のことなどを聞かせてくれた。与謝野晶子と鉄幹を競いあった歌人というだけの知識しか私は持っていなかったので、こんな身近に登美子がいたということは、大きな驚きだった。


TOP INTERVIEW
理を学び、道を極める

陶芸家 木村盛和 氏

わずかな角度の違いで、百変化の結晶模様を浮かび上がらせる窯変結晶釉の陶器。
(鉄分を多く含んだ黒っぽい釉薬を全般に天目釉(てんもくゆう)といいます。)
70年以上その作陶に取り組み、油滴天目釉・木葉天目釉の第一人者として全国各地を歩き、岩石・鉱物・陶土の制作と研究を続け、米寿を迎えて、今なお新しい作品の研究にいそしむ木村さんに、お話を伺いました。

「黒い釉薬を研究してもどうもならへんで」。
10代後半、商工省(当時)所管の国立陶磁試験所で研究員を務めていたころのこと。木村さんは、先輩からそう言われたのを覚えています。故郷の京都でも、主流は青磁などの白っぽい器でした。当時、黒い釉薬に取り組んでいた研究者はいなかったと言います。「黒い器にひかれた理由というのが記憶になくて。単に、黒が好きだったからといいますか、神様が『お前はこの道に進め』と導いたんでしょう」

ブンカのトビラ

吉田浩之氏(オペラ歌手)が語るオペラの魅力

 国際コンクールにおいて「西洋の声を持つ東洋人」と絶賛されて以来、日本を代表するテノール歌手として、世界を舞台に活躍を続ける吉田浩之さん。デビュー作であるオペラ「こうもり」のアルフレード役をはじめ、数多くのレパートリーを持ち、沢山のコンサートに出演なさっています。

「福井ふるさと大使」として、各地で積極的に故郷のPRもされている吉田さんに、歌うことの魅力について語っていただきました。ピアノやヴァイオリンのプロの演奏家になるためには、幼い頃からレッスンを始めるのが一般的とされています。しかし、それらの楽器と違い、その人の変声期や成長に応じて、遅いスタートでも活躍する人が多いのが声楽家。福井県・敦賀市出身のオペラ歌手・吉田浩之さんも、ご他聞にもれず、遅いスタートだったと言います。
「小学生のときは暗くなるまでボールを追いかけていた野球少年でした。僕がクラシック音楽と出会ったのは、中学生になってからです」

 
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